久留米大学医学部皮膚科学講座

About

Introduction

主任教授

古賀 浩嗣

専門分野

・自己免疫性水疱症

資格

日本皮膚科学会認定皮膚科専門医

  • ごあいさつ

    当講座のホームページをご覧いただき有難うございます。2025年7月に久留米大学医学部皮膚科学講座の主任教授に就任しました、古賀浩嗣と申します。
    久留米大学医学部皮膚科学講座は1928年(昭和3年)に皮膚泌尿器科学講座として始まり、その後1954年に皮膚科学講座と泌尿器科学講座に分かれて独立しました。皮膚科学講座の初代主任教授の奥野勇喜先生に始まり、占部治邦先生、皆見紀久男先生、笹井陽一郎先生、橋本隆先生、名嘉眞武國先生に次ぐ、第七代目教授となります。
    久留米大学は2028年に創立100周年を迎えます。これまでの当講座の素晴らしい伝統を継承し、新しい時代のニーズに沿ってさらに発展させて行くことが我々のミッションです。具体的には、良い臨床医を育て、良質な医療を提供する事で地域医療に貢献すること、そして研究の分野において皮膚科領域、さらには医学全体の発展に貢献することです。当講座の持つ温かい医局の雰囲気は自負できるものであり、全人的医療を行う事が出来る医師を育てる環境として適していると考えております。また多くの専門外来を有しており、個々の医師の興味、特性に合わせて成長していくことができます。
    研究においては臨床を行う中で生じた疑問について、自ら仮説を立て、それを立証する姿勢が非常に重要です。自分が疑問に思ったことを自らの手で解明できるときに得られる達成感は経験しなければ分かりませんし、その楽しさを知って頂ければ医師という仕事はより充実したものとなります。そして研究者としての姿勢は臨床の視点をも変えることに繋がります。皮膚という臓器は症状や現象が目に見えることが最大の特徴です。観察しやすく、興味をもって取り組めば様々な疑問が生じてくるはずです。そこから見えてくることを皆さんと共に探求していきたいと思います。

Philosophy

久留米大学医学部皮膚科学講座では、皮膚科全般の研修を行うと共に、すべての医局員がsubspecialityを持つことを目指しています。さらに、基礎研究と臨床を結びつけることができるphysician-scientistとなるように研修を進めています。すなわち、皮膚科の診療は非常に幅広いものであり、皮膚疾患だけでなく、毛髪、爪、口腔内粘膜の疾患も扱い、また、内科的な全身管理も必要となります。これからのすべての皮膚疾患に精進することが基本です。しかしながら、その中でも、この分野では誰にも引けをとらないという、各個人のsubspecialityを持つことが大事だと思います。そのようなsubspecialityとしては、皮膚外科、皮膚病理、皮膚感染症、皮膚悪性腫瘍診断治療、皮膚アレルギー・パッチテスト、美容皮膚、皮膚疾患の内科的治療(全身管理や化学療法)、光線性皮膚疾患、光線治療、そして皮膚科基礎研究などと、非常に多くのものがあります。是非、最低、一つはsubspecialityを持つようにしてください。また、すべての医局員に、基礎研究と臨床診療を結びつけることができるphysician-scientistになっていただきたいと思います。

いまや、基礎研究の進歩は目を見張るものがあります。優秀な基礎医学者が、多くの新しい知見をハイレベルのジャーナルに報告しています。しかしこの結果を、実際の診療に応用できるのは、臨床医です。そのため、基礎医学の研究成果の重要性を理解すると同時に、臨床応用を行うことができるphysician-scientistになっていただきたいのです。また、physician-scientistになることは、その分野を深く掘り下げることになり、subspecialityを作ることにも貢献すると思います。
このように、subspecialityを持ったphysician-scientistになること、これが久留米大学医学部皮膚科学講座の基本理念です。さらに、久留米大学医学部皮膚科学講座に入局して最低限達成していただきたいことが、皮膚科専門医の取得です。そのためには、5年間の研修施設での研修をはじめ、多くの必須項目がありますが、それを達成して、日本皮膚科学会の専門医となりスペシャリストとして活躍し患者さんに還元していただきたいと思います。

Subspeciality

専門性がより細分化されており、日本皮膚科学会専門医以外にも格付けとしての資格が増えています。当科で取得可能な資格は下記のとおりです。

  • ・日本皮膚科学会認定「皮膚科悪性腫瘍指導専門医」
  • ・日本皮膚科学会認定「美容皮膚科・レーザー指導専門医」
  • ・社団法人日本アレルギー学会認定「アレルギー専門医」
  • ・日本人類遺伝学会・日本遺伝カウンセリング学会認定「臨床遺伝専門医」
  • ・日本がん治療認定医機構認定「がん治療認定医」
  • ・日本性感染症学会「学会認定医」

上記のようなサブスペシャリティー取得のため国内他施設での研修も可能です。

また、臨床研修と並んで、基礎研究にも力を入れています。臨床研究であってもそれを正しく進めていくためには基礎医学研究の知識と経験が不可欠です。これは、physician-scientistになるためにも、非常に重要であると考えています。大学院に入学して研究に専念する時間を持つことを前提にしていますが、大学院に入らずに、臨床と平行して基礎研究を続けることもできます。研究は、原則として、充実した研究スタッフのいる久留米大学医学部皮膚科学講座内で行います。しかし、希望があれば、久留米大学医学部の基礎研究講座や、国内外留学も積極的に進めています。
これまでも以下のような国内外の施設で、基礎あるいは臨床留学を行い、サブスペシャリティーを身につけてきました。

国内研究協力施設(2015-2022)

慶応義塾大学皮膚科:自己免疫性水疱症
旭川医科大学:免疫電顕
札幌皮膚病理研究所:皮膚病理
国立中央がんセンター:皮膚悪性腫瘍
島根医科大学:抗原解析、分子生物学
埼玉埼玉医科大学国際医療センター:皮膚悪性腫瘍、皮膚外科学
藤田保健衛生大学:接触皮膚炎、アレルギー
虎ノ門病院:皮膚外科
医療法人中野会中野医院:美容皮膚科・レーザー
静岡がんセンター:皮膚悪性腫瘍
京都大学:皮膚免疫、二光子励起顕微鏡
大阪大学:免疫学

国外研究協力施設(2015-2022)

St.John’s Institute of Dermatology(イギリス)
Inmerial Cancer Research Fund(イギリス)
The University of Maryland(アメリカ)
Columbia University(アメリカ)
The University of Texas(アメリカ)
Jefferson Medical College(アメリカ)
Lubeck University(ドイツ)
Stanford University(アメリカ)

留学の薦め

もし、希望があれば、2-3年間、国外留学することを強く薦めています。もちろん、研究成果や学問の進歩に関して非常に有意義であることは間違いありません。しかし、さらに長期間、日本と違う土地で地元の人々と触れ合うことは、非常に楽しくまた人生を豊かにすることができると思います。国外留学でなくても、2年間、学内外の別の施設で研究することは、とても意義あることと思います。さらに、3-6ヶ月でも良いですから、国内の別の施設で臨床の勉強をすることも、とても大事なことだと思います。過去、多くの講座員が、国外、国内、学内留学を致しました。

現在、留学先から給与を貰うことや奨学金を得ることは非常に難しい状況となっています。そのため、久留米大学皮膚科では、久留米大学皮膚科同門会の先生により久留米大学皮膚科留学援助基金が設立されました。現在まで多くの講座員がこの基金の援助で国内外に留学しています。さあ、諸君も、久留米大学医学部皮膚科学講座に入って、是非留学を経験してください。
このような、恵まれた環境の久留米大学医学部皮膚科学講座の研究室で素晴らしい研究を達成してください。

Facility

  • 久留米大学医療センター

    令和2年4月より非常勤1名で火曜日、木曜日の午前中のみ外来診療を行っています。

  • 聖マリア病院

    夏秋洋平診療部長と野田美帆医員が常勤しています。
    月曜日から金曜までの午前に外来診療を行い(新患紹介はいずれの曜日も受け付けております)、午後に手術、往診、入院患者さんの処置を行っております。皮膚科救急の患者さんについては可能な限り対応いたします。外来診療では、エビデンスや最新の知見に基づいた確かな医療の提供、乾癬、アトピー性皮膚炎、円形脱毛症などに対する生物学的製剤や低分子化合物などを含めた最新治療の提供も行っております。一方、入院診療では、急性期治療を要する帯状疱疹や蜂窩織炎などの皮膚感染症をはじめ、重症薬疹や重症自己免疫性水疱症などに対する全身治療などを行う一方、皮膚良性腫瘍や皮膚悪性腫瘍に対する短期入院による手術治療も行っております。お困りの症例がおられましたらお気軽にご相談ください。

  • 公立八女総合病院

    武藤一考医長と前田さくら医員が常勤しています。
    月曜日から金曜日の午前中に外来診察を行っております。午後からは手術、往診、入院患者さんの処置を行っています。基本的には近隣のかかりつけ医療機関からの紹介患者さんを優先とし、主に急性期で入院加療を要する皮膚疾患、当院での特別な検査や治療の必要な皮膚疾患を診療内容としております。皮膚腫瘍については日帰りもしくは入院での手術を行っており、重度の帯状疱疹、蜂窩織炎などの感染症に対しては入院による安静、点滴加療が可能です。また難治性の乾癬に対して、紫外線療法、レチノイド、シクロスポリン内服療法、生物学的製剤など重症度に応じた治療の選択が可能です。(生物学的製剤の承認施設です)

  • 大牟田市立病院

    荒川正崇医長と白濵稔大医員が常勤しています。
    月曜日から金曜日までの午前中は、一般外来を行っています。(木曜日は荒川医師、金曜日は白濵医師が不在です。)外来の受付は、原則として午前11時までです。午後は検査・手術など予約のみの診療です。手術および検査は月曜日から金曜日の午後から行っています。火曜日は手術室を用いた手術となります。皮膚科の疾患は多岐にわたっていますが、当科は手術療法に関する疾患を特に積極的に扱っています。皮膚のできもの、アザ、爪の異常などでお悩みの方は、ご相談ください。また、尋常性乾癬などの疾患に対して生物学的製剤の治療も行っております。通常の内服や外用の治療で十分な効果が得られない方は、一度ご相談ください。

  • 朝倉医師会病院

    2025年4月から阿部俊文部長が常勤しています。
    火曜の午前中は今まで通り名嘉眞武國名誉教授が非常勤で外来診療を行なっています。
    常勤の阿部は月曜、水曜、第1・3・5の木曜、金曜、第2・4の土曜の午前中と火曜の午後に外来診療を行なっています。土曜日の午後は不在ですが、それ以外の外来診療日は外来診療時間以外は、手術・往診・入院患者さんの診療を行なっています。蜂窩織炎・帯状疱疹・薬疹など入院が必要な方も対応可能です。皮膚腫瘍に対する手術も行なっています。
    アトピーや乾癬などの重症な患者さんに対して生物学的製剤の治療も行なっています。

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